はじめに

たわごと

今さらのHP Jornada 690

jornada 690

1999年頃に発表されたいわゆるPDA。コートのポケットに入るくらいの小ささ。マトモそうなキーボードが付いている。6万色の液晶画面。電池も持ちそう。だが既にメーカーにも見捨てられて久しい。そんなハード。

私は普段Jornada 690を持ち歩いている。しかしWindowsCEをWindowsCEらしく使ったことはただの一度もない。そもそも中古で買った物。それもここ4年くらいの間に。

そんなわけでNetBSDを動かすあれこれの記録。

何ができるのか

NetBSDが動いて、Xserverも動く。PCカードスロットが使えるのでネットワークカードも使える。なので、NetBSDでできることは大抵のことなら何でも動かせる。

ただし、分不相応なことをやらせても苦痛が増えるだけ。

メモリは690で32MBしかない。記憶媒体はCFしかない。CPUは今時GHz当り前な時代に、133MHzのSH3。Xが動くとは言えたった640x240pixel。これが全て。

具体的に書こう。

emacsを使いたいって? 大丈夫、動く。が、emacsは一度に1枚まで。当然ながらX版なんかつかってはいけない。ちなみに私はエディタはvi派なのでm17n版のnviを使っている。

ブラウザはあるのか? かろうじてlynxやw3mなどのテキストベースのが使える。根性でdilloあたりは作れて起動できるが画面サイズ的に苦しい。無論firefoxとかmozillaとか馬鹿なことを言ってはいけない。

日本語環境はあるのか? Xが動くのでktermあたりで日本語を扱える。でもスケーラブルフォントとか言語道断。

音楽プレーヤーにならないか。いや、そもそも音は出ません。

やはり今時なら便利でリッチなデスクトップ? 貴重なメモリや処理速度を見栄えに割り当てたいという要望にはきっと答えられません。素直にパソコン使いましょうよ。

CとUNIXの勉強がしたいって? そこらの中古ノートパソコンを買いましょう。Pentium200MHzあたりの方がはるかに比較することさえ馬鹿らしくなる程快適ですよ。

そんなわけで、私は主にリモートターミナルとして使っている。しかしそれでもsshでセッション接続時に鍵交換までずいぶんと時間がかかる。こんなことさえも辛い部類。

それなりに電池は持つ。手持ちの電池だと通信しながら5時間くらいは持つようだ。しかしそもそも古いので電池寿命という場合も多いだろう。なんちゃってサスペンドはできるが、電源切れる前の自動待機とかそういう便利な機能を期待してはいけない。

さて、こんな状態で使い道はあるのだろうか。正直なところよくわからない。それでも使っているけど、大部分はNetBSD/sh3であるという個人的趣味の理由だけで、小さい、軽い、電池がそれなりにもつという以外の利便性の理由は、実際にない。

遅いよ。本当に。

注意

ここの内容は、多分に一般向きではない。今までJornadaで普通にWindowsCEを使ってきたから延命を…などという考えでNetBD環境を使おうと思うとおそらくは苦痛度90%を超えるだろう。残りの10%未満を楽しめる人にとって役に立てばうれしい。が、きっとそういう人には「何を当り前なことを」という内容だろうなぁ。

ちなみに私が触りだした4年前くらい前は苦痛度99%だった。何せ日本語出ないどころかXも動かないしそもそも電源OFFさえできなかったぐらいだ。
$Id: beginning.html,v 1.2 2007/04/14 17:59:08 oshima Exp $