jornadaはメモリ32MBでCPUも遅い。そのため、現実的に利用できるアプリケーションは限られてくる。
ここではpkgsrcから入れて実際に自分が使っている物をいくつか紹介する。
とにかくいれておきたい物系。
suを使わずにスーパーユーザー権限でコマンドを実行するもの。最近は必ず入れるようにしている。なお、PKG_OPTIONSは特に設定せずにデフォルトでmake。
/usr/pkgsrc/etc/sudoersで色々設定で制御できるが、実際に設定しているのはwheel groupのsudo実行許可くらい。
正直あまりいれたくは無いがあればあったで便利だし、他のpkgsrcで依存することも多数なので入れておく。
なんだかんだ言ってもやはり日本人なので日本語環境が無いとやっていけない。表示系、入力系、操作系など考えられる。本当はファイルサイズやメモリ量的にunicode処理系は避けたいのだけれど今更そんなことを言っていられないので対応するものを使う。
なお、jornadaのコンソールでは日本語をそのまま表示することができない。日本語を表示するためには、X環境かmgl環境のどちらかを使うことになる。
軽量グラフィックライブラリのMGL2。もともとはMobileGear用だが、Jornadaのhpcshでも使える。
日本語表示可能なmgtermがあるため、いれておくと便利。
現在のpkgsrcのmglはNetBSD 4.0以降のGCC4環境だと色々と問題があってmakeできないが、多少修正すれば動くようになる。
(詳細はまた後で)
日本語対応のX上で動くターミナルエミュレータ。XIM経由での入力メソッドで日本語入力も可能。
最近のXorgやXFree86のxtermは日本語表示も入力も可能らしい。NetBSDの標準xtermもそうなっている。が、あまりにもアレな状態になるのであえてktermを使う。また、ktermの方が使用メモリ量も少ない(昔から考えれば信じられないのだが)。
なお、ktermはutf8を直接表示できない。localeはja_JP.eucJPかja_JP.ISO2022-JPで使う。ja_JP.ShiftJISでもかまわないが。
日本語対応のテキストビューア。所謂pagerとしても使用できる。UTF-8などにも対応しているので、大抵のテキストファイルを読める。
man等のページャに使うには環境変数に
PAGER=lv
とでも指定しておけばよいだろう。
ちなみにUTF-8対応なんか要らない、のであればjless (misc/ja-less)をいれておけば良い。こっちの方がかなりサイズが小さい。
日本語入力メソッド。PKG_OPTIONSは特に指定なし。
汎用入力メソッド。上のanthy等をエンジンに使える。また、X用のxim-uimやshell上で使えるuim-fepなんかがある。
私の環境ではcannaは使わないし、なるべく軽くしたいのでgtkにも依存させないために/etc/mk.confに
PKG_OPTIONS.uim=-canna -gtk
として作っている。
残念ながらNetBSD標準のvi(nvi)は日本語に対応していない。何をするにも一つくらいは日本語対応エディタがあった方がいいだろう。
日本語対応のnvi。標準だとcannalibに対応するので/etc/mk.confのPKG_OPTIONSで外している。
PKG_OPTIONS.nvi-m17n=-canna
使用するメインの文字コードに応じてnvi-euc-jpやnvi-iso-2022-jp等で起動すればいい。なお、残念ながらutf8には対応していない。
何をかいわん、emacs。editors/emacsだとX11対応版になってしまう。jornadaではたとえX11を起動しても画面が狭すぎでとても使えたものではなく、当然Xlib関連でメモリもたくさん使ってしまう。なのでXに対応しないemacs-noxをインストールする。
なお、2007/8現在のpkgsrcではemacsはemacs 22.1になっている。古い物の方がメモリ使用量が少ない傾向にあるため敢えてemacs20を選ぶという方法もあるが、hpcshでそのままではたぶんmakeできない(少しのpatchで可能だが)。emacs21nox11は素直にmakeできるはずだが、unicode対応が必要ならemacs22の方がいいかも。
emacsに依存する他のpkgsrcをmakeする場合は
EMACS_TYPE=emacs22nox
などとしておく。
テキストブラウザ。X環境で画像も表示したいのであればw3m-imgを入れる。
最近はutf8でかかれたweb pageも増えたので、/etc/mk.confに
PKG_OPTIONS.w3m=w3m-unicode
としている。
X環境を使って日本語を表示させるには日本語フォントが必要でもある。Xには標準フォントに日本語も含まれてはいるが、何せ画面が狭いので小さなフォントが欲しい。
jornadaのご先祖とも言えるHP 100LXで有名な8x8dotの日本語フォント。このフォントを使えば80x25の漢字ターミナルをほぼ2画面横に並べることができる。
pkgsrcからinstallしたフォントは/usr/pkg/lib/fonts/local以下にインストールされる。このパスをXserverに教えるためには、xset(1)を使う。
% xset fp+ /usr/pkg/lib/fonts/local
起動時から有効にするには~/.xinitrc等に追加しておけばよい。
XのフォントはXLFD形式で示されるが通常指定に使うには長すぎる。そこで以下のような行をfonts.aliasに追加する。
r8 -hiro-fixed-medium-r-normal--8-70-75-75-c-40-iso8859-1 rk8 -hiro-fixed-medium-r-normal--8-70-75-75-c-40-jisx0201.1976-0 k8 -elisa100-fixed-medium-r-normal--8-70-75-75-c-80-jisx0208.1983-0
これで、漢字をk8, 同サイズの4x8dot英語および仮名フォントをr8, rk8で使用できるようになる。ktermではこちらの方が便利かもしれない。
これを/usr/pkg/lib/fonts/local/fonts.aliasに書けばよい。Xのfonts.aliasファイルはX Font Pathのどこかにあればいいので適当なディレクトリ、たとえば~/fonts/以下にfonts.aliasを作成し、そこをxset fp+等で追加してもよい。私はちょくちょく設定を変更することがあるので後者の方法を使っている。
日本語の10x10dot bitmapフォント。いくつかフォントが追加されるので、これもfonts.aliasでk10, r10, rk10等としている。
日本語の12, 14, 16dot bitmapフォント。上記の2つくらいでいいと思うが、それ以上のサイズを使いたい場合にはこのあたりを使う。